補完通貨

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補完通貨とは、取引代金を清算する際に、全額あるいは一部を法定通貨以外で支払う運動(その多くはローカルレベル)全てを指す名称である。このツールは、今のところ満たされていないものの、地域にある資源を活用することで満たせる可能性がある社会経済的なニーズがある場合に特に有効である。

補完通貨を使う理由

補完通貨に対するアプローチとしては、2種類が挙げられる: 最初のものは理論的なもので、既存の通貨システムの非持続可能性および不公平性を特定するところから始まり、持続可能な通貨システムとして補完通貨の使用を提起する。その一方で、もう一つのものはより実利的であり、自分たちの社会経済的なニーズが満たせない人たちが、往々にして既存の通貨システムでそのニーズが満たせない理由を理解しないまま自分たちの交換システムを立ち上げている。

理論的アプローチ

最初のアプローチのうち典型的なものは、マルグリット・ケネディがその代表作金利ともインフレとも無縁な貨幣(リンク先は日本語版)で取り上げている:

指数関数的成長の永続の不可能性

- "有限な世界において指数関数的な成長が永遠に続くと持っている人は、狂人か経済学者のいずれかである" (Kenneth Boulding)

現在の通貨制度は複利、すなわち金利が元金に追加され、さらに融資額の成長を加速させる方式に基づいている。このため時間が経つにつれ債務は、比例(1, 2, 3, 4, 5...)ではなく指数関数的(1, 2, 4, 8, 16...)に成長する。彼女は、人間はある段階に達すると量的成長を中止する(20歳を超えると誰も背が高くならない)一方で、指数関数的な成長を自然界で遂げるのはガン細胞だけであり、このため指数関数的な成長そのものが持続可能ではないと指摘している。

複利はあらゆる取引から徴収

市場経済で手に入る財やサービスには全て価格があり、消費者は何かを買うたびに、その生産者が返済する複利を直接的あるいは間接的な形で負担することになる。彼女の計算では、消費者が支払う複利の額は価格の1/4程度に達し、言い換えるなら消費者として支出する額の1/4は、債務の返済により銀行家などを富ますために充てられているということになる。

貧しい人から金持ちへの富の再分配

そして複利のもう一つの構造的な問題は、資金の借り手(資金のない人)から貸し手(資金のある人)に資金が再分配されることであり、彼女の計算では所得下位80%が金利によって所得が減る一方で、所得上位10%が金利によってさらに豊かになっており、現在の通貨システムが不公平であることを示している。

この理論に基づいてケネディは、持続可能で公平な世界を築くための方法として補完通貨運動に積極的に関わっており、これに賛同する知識人もいる。

銀行への負債としてのお金

ポール・グリニョン(Paul Grignon)は、2006年に発表したDVD "Money as Debt"(英語、日本語字幕版については外部リンク参照)において現行の通貨制度に対して他の根本的な疑問を投げかけている。つまり、流通しているお金の大部分が信用創造によって生まれており、複利つきで融資が返済される確証があるときにのみお金は銀行により創造=融資され(負債がなければお金もない)、これにより実体経済の担い手全て(個人、企業そして公共部門も)の債務が増大する一方で、金融部門だけが儲かっていると主張している。

実利的なアプローチ

ケネディの理論は正しいが、補完通貨運動の多くが通貨制度改革運動の成果としてというよりも、一般庶民の実際のニーズから生まれたものであるというのも事実である。最初のLETSは、地元の炭鉱が閉山したことによる失業に苦しんでいる地域で生まれ、日本のふれあい切符は公的な高齢者介護制度の不備に気付いた人たちにより実践されており、タイムダラーは、貧窮者の生活水準を改善するための助け合いの装置としてエドガー・カーンにより開始された。

用語について

「補完通貨」という用語を生み出したのはベルナルド・リエターだが、彼は現在の通貨が競争、技術、ピラミッド型組織や中央権力などといった男性的な価値を促進するのに対し、協力、同情、平等および相互信頼などといった女性的な価値観は無視されていることに気付いた。彼は「補完」(英: complementary)という単語を使い、中国の道教的(陰陽二元論)的な立場から、陽(男性)的価値が過剰で陰(女性)的価値が不足している現在の世界を強制するための道具として補完通貨を提唱している。

歴史

現在に至る補完通貨の事例が始まったのは1980年代だが、歴史的にはいくつか先例が挙げられる。たとえば、オーストリア・ヴェルグルで1932年7月から1933年9月まで流通した労働証明書は、まさに大恐慌に世界経済が喘いでいた時期に商品やサービスの流通を再活性化させたが、オーストリア中銀によって禁止されてしまった。スイスのWIR銀行およびデンマーク(そして戦後にスウェーデンにも)のJAK銀行は当時の事例の生き残りだが、JAK銀行は現在独自の補完通貨は発行しておらず、各国の法定通貨のみを取り扱っている。

1990年代後半までは補完通貨の事例の大多数はLETSあるいはタイムダラー、あるいはそれらの変種であったが、その後アルゼンチンの交換クラブやドイツのキームガウアー、フランスのSOLや米国マサチューセッツ州のバークシェアのような事例が生まれてきている。

連帯経済への意義

以下は、連帯経済に対する補完通貨のメリットである:

  • 地産地消を促進することにより、地域経済および地域社会を強化可能
  • 利用者が直接管理するものであるため、民主的運営が促進
  • 補完通貨で融資が行われた場合には、連帯金融と同じ目的が達成可能。

世界各地の実践例(五十音順)

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