ソーシャル・キャピタル

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ソーシャル・キャピタルを定義するには、EU(欧州連合)の文書にある「ソーシャル・キャピタルとは、お互いの利益となる調整および協力を促進するネットワーク、規範や社会的信頼などの社会的機構から構成される」という内容が参考になるが、この定義はさまざまな文献をルーツに持つ。ソーシャル・キャピタルに関する現在の議論は主に、米国人社会学者ジェームス・コールマン(James Coleman)の1980年代の著書および米国人政治学者ロバート・パットナム(Robert Putnam)の1990年代の著書に由来するものである。フランス人マルクス主義社会学者ピエール・ボルデュー(Pierre Bordieu)の1990年代の著書も、ソーシャル・キャピタルに関する現在の理論基盤における3番目の文献として使われている。この3名はソーシャル・キャピタルを、以下のように規定している:

「ソーシャル・キャピタルとはその機能によって定義される。これは他の資本と異なり一種類ではないものの生産的であり、一定の目的の達成に欠かせないものである。… ソーシャル・キャピタルとは、個人間の関係の中に埋め込まれている。 信用がありお互いに高度な信頼を示すメンバーによって構成されたグループは、信用や信頼のないグループと比べてもより高い業績を達成可能である」 Coleman (1990);

「ソーシャル・キャピタルとは .... 信頼、規範やネットワークなど、行動の調整を促進することにより社会の能率を高めることができる社会構造の特徴のことである」 Putnam (1993)

「相互面識や認識の、多かれ少なかれ機構化された人間関係という長期持続型のネットワークを保有することによる個人あるいはグループが得られる実際あるいはバーチャルな資源の総量」 Bourdieu (1992)

ソーシャル・キャピタルに関する正確な定義

「ソーシャル・キャピタルとは、以下のものが高レベルで存在することにより創造される地域社会内の資源である:

  • 信頼;
  • 互恵性および相互関係;
  • 行動規範の共有;
  • 従事および所属の共有;
  • 公式および非公式の社会的ネットワーク; および
  • 効率的な情報チャンネル

これらは個人・グループおよび地域社会一般に利益を与えるための行動を促進するために、個人やグループが生産的に活用可能である」

社会資本との違い(日本語の術語として)

英語のsocial capitalを直訳すると「社会資本」となるが、日本語ではこれは鉄道網や上下水道網などインフラ(英infrastructure)のことを指すため、混同を防ぐために英語をそのままカタカナ書きしたソーシャル・キャピタルが使われることが(特に学術用語としては)多い。また、カタカナ英語を使わずに表記する必要がある場合には、「社会関係資本」という用語が使われることがある。

参考文献

  • Evans, M.(2005): The Role of Social Capital in the Social Economy. In: Birkhölzer, K.; Klein, A.; Priller, E.; Zimmer, A. (eds.): Dritter Sektor / Drittes System. Theorie, Funktionswandel und zivilgesellschaftliche Perspektiven. Wiesbaden
  • Bourdieu, Coleman and Putnam